今回私が経営系大学院を目指した理由を述べてみたいと思います。経営系大学院を目指したい一般的な理由として良く挙げられるのが、①経営に関する幅広い知識を身につけ現在の業務に活かしたい、②大学院で取得した知識、手法を業務で活かして社内で昇進をしたい、③収入アップを目指して転職をしたい、④様々な業種の方と人脈を作りたい、⑤大学院で取得した知識、手法、人脈を活かして起業をしたい、などがあるかと思います。同級生と話をしていると①、②が多いかなという印象を受けます。そして、卒業をした先輩の多くが昇進をされて活躍をされていると聞いています。また、一部で在学中、もしくは修了後に転職をされる方も見てきております。
実際に大学院に入学をされる方の理由は様々だとは思いますが、私の場合、経営に関する幅広い知識、特に技術を経営にどう活かすかの考え方をブラッシュアップしたい、将来自分で起業をするためのスキル、人脈を築きたいと思ったのが理由でした。長いこと同じ企業で働いていると仕事そのものに慣れてきて無難にこなせるようになりますが、自分の力が社外で通用するのか不安だったのもあるかもしれません。数ある経営系大学院の中で東工大に入学した理由は、当時は経営に関する幅広い知識が学べ、かつ技術、テクノロジーに関することも深く学ぶことが出来るという理由でした。東工大のネームバリューに惹かれたのも事実です。今大学院を修了するにあたり、良かった点はアウトプットの量が多く質が高いものを求められ点にあると思います。これは、演習科目でのグループワーク、プロジェクトレポート(他校の修士論文に相当します)で散々鍛えられたこともあり、調査能力や業務の処理能力、プレゼン能力が大幅に上がっていることを実感することができます。また、個人的に良かってことは、東工大の標準課程外の講義を自由に履修することが出来た点にあります。東工大の場合、院生はデータサイエンス・AI特別プログラムを指導教授承認のもと受講をすることが可能でしたので、私は人工知能、データサイエンス、自然言語処理などコンピュータサイエンス系の理論科目や演習科目を数多く履修しました。自分自身この領域に興味を持っていたこともありますが、1年ほどの演習で基本的な機械学習の実装が出来るようになり論文を執筆したのは大きな収穫でした。また、これから社会人博士課程の学生として機械学習分野の研究が出来ることを嬉しく思っています。
経営系大学院で学ぶことによって得られることは数多くあります。人によっては、国内MBAを取得することに対してネガティブな反応をする人もいるでしょう。しかし、仕事をしながら理論科目を学び、演習で大量にアウトプットすることで経営に関する全般的な知識が身につき、それを実務に活かす能力が培われることでしょう。そして、それを乗り越えて学位を取得することで得られる自信が今後のキャリアを支えていくのだと思っております。